薔薇の一族 ~プロローグ~

 この世には『人間』と『あやかし』と言われる『悪霊』の2種の生き物によって成り立っていた。

 2つの勢力は昔から対立し、まるで国を2分するかのようであった……

 

 ただ『人間』は不利であった……『あやかし』を攻撃出来る能力を持っているモノといないモノがいた為である。

 中でもある一族のみ強力な力を持つモノとして崇められていた……

 

 その一族は薔薇の紋様を刻んだ黒い衣をまとっていたという。

 

 能力のある人々はその一族に従い・能力の無い人々を「あやかし」から守っていた。

 そして戦いは続き『あやかし』の力が強まりつつあったある年に異変がおきた。

 薔薇の一族に不思議な力を持つモノが産まれたのである……

 

 

 1年目…左胸に3cmほどの薔薇のアザをつけた女の子が産まれる…その子にはすでに強力な力が備わっていた。赤ちゃんでありながら背中に薄い赤い羽を広げ宙を舞っていた…

 一族は驚き、その美しい羽と薔薇のアザと見て『紅剡』と名付けた。

 

 5年目…紅剡と同じように左腕に2cmほどの薔薇のアザをつけた女の子が産まれる…彼女もまた強力な力が備わっていた。薄いオレンジ色…いや、金色こんじきの球体でまるで自分自身を外敵から守るように包まれていた。その身体を母親にしか触らせないよういつも無意識に結界を張っていた。

 一族は手を出せないほどの結界の持ち主という事から『緋雨』と名づけた。

 

 7年目…紅剡・緋雨に続き右肩に5cmほどの薔薇のアザを持ったモノが産まれた…3回目という事もあり一族は少し慣れてはいたが、その女の子もまた強力な力を持っていた、薄い緑色した光が手足を包んでいた。

 一族は緑のオーラが自然からの加護だと思い『樹羅』と名づけた。

 

 9年目…一族は確信した、薔薇のアザを持ったモノのみが強力な力を手にしていた事を…そして今回もまたアザを持ったモノが産まれた。両耳に1cmほどの薔薇のアザをつけた女の子…その子はなぜか薄く青い色をした光の銃を両手に握り締めていた…

 一族は強力な力を持ったモノを喜び『さくら』と名づけた。

 

 彼女達は能力だけでなくすべてに対して万能であった、物覚えも速くいろんな事柄を吸収していった。

 この世界がどんな状況なのか?自分達の役割は?いろいろと詰め込まれ、10歳になる頃には4人の女の子達は別々の場所に飛ばされていた。

 

 

……そして月日が経ち、世界が変わり始めた……